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温泉力44 /// 三種の神器と荒湯の洗濯場 ///

b0145826_09816.jpg以前に、話題を呼んだ映画『ALWAYS三丁目の夕日』のDVDの新聞全面広告が載っていた。

日本が、湯村が、これからの高度成長を迎え一番輝いている時である。その中に『三種の神器』という言葉がでてくる。

最近の三種の神器と聞くと「薄型テレビ」、「DVDレコーダー」、「デジタルカメラ」の事を言うらしいが、本来の三種の神器(天皇の位の証(あかし)とされる三種の神器である八咫(やたの)鏡・草薙(くさなぎ)剣・八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)になぞらえて、みんなが欲しがる高級耐久消費財から3種を選び、三種の神器と呼ぶようになった。

b0145826_012171.jpg少しづつ遡って行くと三種の神器には、次のようなものがある。
「薄型テレビ」、「DVDレコーダー」、「デジタルカメラ」(現在の三種の神器)
「パソコン」、「携帯電話」、「カーナビ」(平成の三種の神器)
「カラーテレビ」、「クーラー」、「カー(自家用車)」(3Cと言われていた昭和後半)
そして一番最初に『三種の神器』と言われて高価だが憧れだった、「白黒テレビ」、「電気洗濯機」、「電気冷蔵庫」(昭和30年代)を思い出す。

その三種の神器だが、こんな面白い話がある。

b0145826_0122660.jpg子供の頃の湯村温泉では、なぜか「電気洗濯機」の普及だけが遅れていた。

それは荒湯の下に洗濯場があったからだ。洗濯場は足湯前の水路のコンクリートのとこで、早朝や夕方、割烹着を着た主婦が数珠繋ぎに並んで洗濯をしていた。

たらい・洗濯石鹸を持ってきて、洗濯板がわりのコンクリートでゴシゴシと洗濯をしながら、井戸端会議ならぬ川端会議をしていた。

荒湯の洗濯場は温泉が流れて川の水と混ざって冬でも暖かいし、温泉の重層成分で白くなり、ふぁあ~と柔らかくなる。しかも電気代もいらないし、「電気洗濯機」を買うこともいらないのだ。

荒湯の洗濯場ではルールが存在した。
綺麗なものから川上で洗い、汚いものは川下で洗うということだ。(ある程度、年の順番に並ぶルールも存在した?いわいる荒湯洗濯デビュー)つまりハンカチ・ワイシャツなどの白物は上で、赤ちゃんの布オシメは川下で洗っていたのだ。

平成になると洗濯場で洗う人はなくなり、観光のイメージとして撮影されるだけとなった。洗濯機の普及とともに、人と人との触れ合いと湯村の文化ががまた一つなくなった。
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by yuasanoya | 2010-06-20 00:15