2010年 06月 09日
湯村温泉は「山陰海岸ジオパーク」の特色の1つである、豊富な高温泉があります。
まさに、 温泉はクリーンでエコな「ジオエネルギー」です。 先日、山陰海岸ジオパークの学術顧問で鳥取大学の西田教授と坂本さんが、朝野家までお越しいただきご教授頂きました。先生は工学部土木工学科海洋建設工学の教授です。 西田教授によると湯村温泉は、日本海形成と相俟って生まれた湯村断層と照来断層に沿った断裂が交差している所に湧出している。 深層断層が高温の温泉水の湧き出し路になり、「98℃の熱湯が毎分2,300リットル」湧き出ているそうです。 そこで坂本さんが、「荒湯」など温泉全体の1日の総エネルギー量は、電気エネルギーに換算すると、約377.4Mwh(メガワットアワー) となるそうです。 つまり15,700キロワットを供給する発電所に相当するジオエネルギーが荒湯を通じて、地下から供給されています。しかも、石油を使用せず、CO2を排出しないクリーンなエコエネルギーなのです。 「ジオエネルギーの活用」は ○温泉観光として活用(旅館入浴、荒湯周辺散策) ○荒湯での煮炊き行為(ガスを使用せず、CO2排出しない) ○公衆浴場「薬師湯」・温水プールとして活用(石油を使わず、CO2排出しない) ○旅館での冷暖房・空調設備エネルギーとして活用 ○湯区内約500戸に温泉配湯(家庭での台所の温水、洗濯、浴室に活用) 『温泉配湯』のもたらすエネルギー量を、ざっと計算してみますと、湯村地区の温泉配湯は、60℃で送っており、1家庭4人家族で1日約150リットルの消費量だそうですから、500世帯分で約5,232Kwh(5.2Mwh)の電力に相当します。 上記の計算は全て0℃比熱の計算ですから、自然水の持つ温度エネルギーを減算すると、前者が約338Mwhであり、後者が約4.7Mwh程度になると思います。 そして、これが環境に及ぼす影響を考えてみると、消費電力1Kwhに対するCO2発生量が0.39Kgということですから、338Mwhでは約132トン、そして4.7Mwhでは1.8トンのCO2/日発生量を抑制し、クリーンな環境に貢献しているということになります。 古来より人々は、温泉という自然のもたらすエネルギーを、始め頃は『入浴』ということだけに特化させていたのかもしれませんが、次第にその用途を広げ、活用してきました。 今は、観光への利用も勿論のこと、温泉をクリーンなエコエネルギーとしても位置づけて、さらに発展的に利用の拡大を図ることが肝要です。。! 「今後のジオエネルギーの活用」 ○食糧増産・地産地消(旅館)へのアプローチ(珍種の植物の栽培) ○健康増進・温泉医療(リハビリと癒しの湯)へのアプローチ ○熱水利用発電(熱電素子活用・小型発電機の開発) ○『ジオエネルギー学習館(見学・学習)』の建設(観光にも利用) などにも利用して、湯村温泉は1,200年前から、クリーンでエコエネルギーを利用していることをジオパークを通じて、世界に情報発信することが大切だと思います。 温泉力-湯村温泉は15,700キロワットのクリーン発電所に相当します。 #
by yuasanoya
| 2010-06-09 13:06
| 温泉力
2010年 05月 12日
10日、「湯村温泉の温泉水質測定」の結果が、湯村温泉内の町民センターであり、出かけてきました。
温泉水質測定調査は温泉町観光協会と旅館組合、各施設の合意のもと今年2月、湯村温泉にある9カ所の旅館や温泉施設などで実施しました。 調査は湯村温泉に25年も見守っていただいている鳥取大学の吉谷名誉教授(地学)が担当し、水温・PH(水素イオン濃度)・ORP(酸化還元電位差)・電気伝導度などが測られました。 全体説明では「湯村温泉は良好な泉質であり、人体は年を取ると酸化系になる。 湯村温泉は還元性温泉なのでアンチエージング効果があり、弱アルカリで皮膚にもよく、源泉を大切にし、良くメンテナンスを行い、この状態を保ってほしい」と話されました。 また、湯村温泉は温泉水が肌や健康に良いとされているが、お肌のつるつる感はアルカリ性泉や炭酸水素泉(いずれも湯村温泉成分)に入浴した時に強く感じられます。 湯村温泉に入ると肌の表面を覆う脂肪酸を温泉成分の重曹は洗浄作用で溶かせます。 その脂肪酸と重曹(NaHCO3)のナトリウムイオンが結合し、Na-石鹸(R-COOH-Na)+グリセリンが出来ます。 つまり温泉に入るとナトリウムイオンによる中和反応で、自然と石鹸を作っています。その微量に薄い石鹸膜は、肌の清浄化をしながらつるつるの肌にしているのです。 きれいになった肌は、副産物のグリセリンで覆われ水をはじく美肌になるそうです。またグリセリンは保湿効果があります。 さらに一般的に還元性の温泉は低温のところが多いのに、湯村温泉は高温泉というは珍しく、地学的に説明がつかないとも話されていました。 温泉力-湯村温泉は肌を「つるつる・ピカピカ・ぷるぷる」にするアンチエージィングな温泉です。 #
by yuasanoya
| 2010-05-12 01:24
2009年 11月 20日
以前、日経新聞の下段に「体温を上げると健康になる」という本の広告が載っていて気になっていた中、土曜版の日経PLUS1(プラスワン)「健康」で体温➚=免疫力も➚?のタイトルをみつけた。
内容は、新型インフルエンザが流行している影響もあって、体温を高くすると免疫力も上がるという内容の本が注目を集めているとのことらしい。 昔から風邪は万病のもと、「風邪かな?」と思った時の私の対処方法は、熱々の鍋焼きうどんに七味をいつもより多めに入れて、湯村温泉・朝野家の風呂に入り、布団をかぶって寝る。そうするといつの間にか治ってしまう。 体温を中からと外からと上げて、栄養バランスが良く消化の良いものを食べ、風呂で湿度の高い蒸気を吸って、体を休め、発汗をする。理にかなっている。 記事によると斎藤真嗣医師は「体温が1度下がると免疫力は30%低下し、1度上がると500~600%もアップする」と説く。 東京女子医科大付属青山自然医療研究所クリニックの班目医師も「内蔵周辺では36度~37度に保たれていなければならない。 34度~35度になるのは内臓に十分な血液が流れてない証拠、がんなどで受診する人の体温は大半35度台、34度の人もいる」湯たんぽで内臓や筋肉を温めると、体温が1度前後上がりリンパ球が回復すると書かれている。 ほかにも「実験で細胞を扱う場合、36度より37度のほうが酵素の働きもよくなり、細胞活動が上がる。500%免疫力が上がるという根拠にはならないが免疫活性も高いと考えられるのかもしれない」と理化学研究所生体防御研究チームの改正リーダーは言う。 早稲田大学の永島教授は体温を研究する中で「運動などで筋肉量を増やし、基礎代謝を上げることが望ましい。体温は代謝の時の熱エネルギーを使って維持しているからだ、ただ継続しないとすぐに体温は下がる」と話す。 味の素の研究では、「唐辛子などの主成分のカプサイシンと基礎代謝の関係も動物実験では向上効果がある」と発表している。 運動により基礎代謝を上げることが望ましいが、体力がなくても温泉に入れば必然的に体温は上がる。何度か入ることで体温維持もできる。 しかも湯村温泉は塩化物泉のために塩のベールが全身を覆い、いつまでも保温が続くのだ。さらに風呂の中は湿度が高い、ウィルスは湿度が高いと感染率は低くなる。 旅館で美味しいものを食べれば心の栄養まで豊かになる。湯村温泉は5年前から11月から希望者に荒湯湯たんぽ体験のサービスを提供している。 乱暴な三段論法だと『湯村温泉に入るとインフルエンザが治る!』といえば飛躍しすぎだろうか? #
by yuasanoya
| 2009-11-20 22:46
| 温泉力
2009年 09月 17日
16・17日温泉ビューティー研究家の石井宏子さんの「湯村温泉の魅力発掘と磨き方」と題した研修会が温泉町商工会であり、勉強してきました。
石井先生の講演を聞くのは5月観光協会、7月28・29日に「温泉力・湯村温泉魅力発見セミナー」に引き続き3回目です。 湯村温泉の魅力を発信する人材の養成の一環で、今回は商工会の「地域資源∞全国展開プロジェクト」の研修会応用編です。 石井先生はドイツで自然療法を学び、日本人初の「気候療法士」の研修課程を修了、温泉をとりまく自然環境をはじめ温泉旅での体験すべてを活用した「温泉セラピー」プログラムを提唱されています。 今回の研修は応用編ということで、気候療法(クリマテラピー)やドイツでの療法の様子など、写真を交えて紹介していただきました。 気候療法とは気候には保護と刺激の作用があり、水(水・湧水)、土地(食材・地形)、気候(光・風・空気)、人(町・交流・歴史・文化)などを治療や健康増進の目的に利用する療法のことです。 ドイツ・ミュンヘン大学の研究拠点のあるがガルミッシュ・パルテンキルヘンの運動型気候療法では自然の中でのノルディックウォーキングが中心で、山・森や川などに350通りの遊歩道があります。ヨーロッパで広く用いられている水治療「クライプ療法」など使い、「ちょっと冷たい」冷刺激を感じながら山や海岸をどんどん歩き、気候療法士はその土地の歴史・自然・温泉などすべての知識を紹介しながら身も心も治癒していきます。 同じ効果は温泉にもある転地療法で、これを「温泉旅」と定義し、湯村温泉の自然湧出の高温泉や湯がく文化、人々の交流は都会でオーバーヒートされた方々をリセットする場所になりうると提案されました。温泉の恵が人々を癒します。 気候療法士からの湯村温泉の魅力は温泉だけでなく、昭和レトロな町並み、八幡神社の五輪の塔・夫婦杉、夜のライトアップ、薬師堂・湯村八景、路地裏散歩など沢山の素材があり、見方を変えるだけで古い魚屋の看板や尋ね方ですら脳トレーニングになりリフレッシュできると興味深い話でした。 全く同感です。ぜひ湯村温泉のまちづくりに気候療法(クリマテラピー)を取り入れたいと思います。 #
by yuasanoya
| 2009-09-17 01:39
| 温泉力
2009年 09月 02日
湯村温泉というば、荒湯でのゆで卵が名物なのですが、アメリカ大陸を発見したコロンブスにも卵にまつわるこんな話があります。
-コロンブスのたまご- 本より コロンブスは1493年に帰国すると、バルセロナの宮廷で盛大な歓迎式典の招かれたが、皆がみな彼を賞賛したわけではない。『誰でも西へ行けば陸地にぶつかる。当たり前のことだ』と言われた。 その時、コロンブスは卵を指し示し、『誰かこの卵をたてることが出来る人はいますか』と問いかけました。何人かが挑戦してみましたが、誰も立てることは出来ず、しまいには怒り出す人も現れました。 コロンブスは卵を引き寄せ、テーブルで軽くたたいて卵を立てて見せたのです。「そんな方法なら誰でも出来る」と言う人々に対し、コロンブスは「人のした後では造作もないことだ」と言い返した。 これが『コロンブスの卵』の話です。そのコロンブスは約500年前の1506年5月20日スペインのバリャドリッドにて死去しました。 でも湯村温泉に来れば、たたかなくても誰でもコロンブスのように、卵を立てることが出来るのです。 湯村温泉は、1分間に98度の温泉が470リットル勇出している「荒湯」があります。 観光客の方はここでよくゆで卵をつくります。しかしある時ゆで卵と生卵が混ざってしまったことがあります。でも判別は簡単、卵を回して見るとわかるのです。 ツルツルのところで卵を横に置き、回していつまでも回るのがゆで卵で、直ぐ回らなくなるのが生卵です。ゆで卵は真中に黄身が、周りに白身が固まっているので重心が安定するから安定して回るのです。 それではコロンブスの卵のように立てるには、どうするのでしょう。 (解りやすくするために下半分に黒色を塗りました) 荒湯で固ゆでにして、右手の親指と左手の人差し指で時計と反対周りに強く弾くように回します。 しっかりと茹でた卵は横回転して、よく回り、1分後に回転軸が横回転から、斜め回転、そして縦回転になり、立ち上がってきます。 そして立ったままで回転をし始めます。回転が落ちるとまた横回転となり止まります。 ほぉ~ら、立ったでしょ! (^-^ ) ニコッ Φ ~ Θ 半熟よりゆで卵、ゆで卵でも固ゆでの方が安定します。 荒湯でこんな実験をするのも、面白いですよね。 温泉力-湯村温泉では誰でもコロンブスになれる #
by yuasanoya
| 2009-09-02 23:41
| 温泉力
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